難関の中高一貫校が次々に高校入試の募集停止を発表していることは受験生を持つ家庭であれば気になるところでしょう。
2019年6月に豊島岡女子学園・中高等学校の高校募集停止が発表されたことは記憶に新しいと思います。
この度、本校の高等学校入学試験に関して下記の通り変更することになりましたのでお知らせいたします。
記
令和4(2022)年度より募集を停止します。
令和2(2020)および令和3(2021)年度の入学試験は従前通り90名募集で実施いたします。公式ホームページ
首都圏の高校募集を行う女子校の中でも難関校に入る豊島岡女子が、長女の高校受験を最後に高校受験の選択肢から消えることになります。
この動きは千葉県の私学にも及んでいて、東邦大学付属東邦が2017年度より高校募集を停止したほか、渋谷教育学園幕張も将来の中高一貫化を見据えたとして、中高のシャツとブラウスを統一することを発表しています。
消えゆく難関校の高校募集。
その理由について今回は勝手ながらわたしの解釈でまとめていきたいと思います。
完全中高一貫化に賛成?反対?
高校募集を停止してある意味完全なる中高一貫化の波は、私学にとどまらず公立にも徐々に進んでいます。
東京都の公立中高一貫校10校のうち、併設型の高等学校・附属中学校として設置されていた5校。武蔵・富士・両国・大泉・白鷗が、2022年までに高校募集を停止し、中学募集の規模を拡大する計画が東京都教育委員会から公表されました。これですべての公立中高一貫校の高校募集が停止されることになります。
具体的には
21年度から富士と武蔵、22年度に両国と大泉が募集を停止。
白鴎も時期は未定だが他校と足並みをそろえながら停止。
東京都教育委員会都立学校教育部は
「16年3月にすべての中高一貫校が卒業生を出し、ひと区切りついたところで検証委員会を設けて、教育効果などを話し合いました。その流れの中で併設型は高校募集を停止し、中学校の募集人数を増やした方がいいという結論に達しました」
参照:東京都教育委員会都立学校教育部
その理由のひとつに、中学と高校の受験者数の格差が大きく左右しているようです。
開設当初は10倍を超えた中学入試の倍率も今は6倍台、白鴎や九段に至っては8倍近い倍率を毎年叩き出していて受験生の学力は僅差、適性検査の内容をみれば分かりますが記念受験でなんとかなるようなものでないため全員が訓練された子供達です。
そしてそんな学校にも関わらず、驚くほど落ち込んでしまうのが高校入試です。
募集している公立附属中の倍率は少人数であるにも関わらず1倍台にとどまっています。
両国は約1.3倍、白鴎も約1.3倍、ほとんどの学校が約1.3倍の中、大泉に至っては女子は全入です。..
公立の中高一貫附属中に限っては、入り口の偏差値が高いのに出口が難易度の割に低く感じます。
長女の周りを見れば一目瞭然、もうそれぞれ退塾し学習環境はそれぞれ違えど公立受験に落ちた子供達は高校入試においてほぼ全員がこのレベルの学校を目指してはいません。
入り口が低く出口が高いならまだしも結果的に努力の割に評価されないのではなんだか勿体無いと感じてしまいます。
6年間のカリキュラムを組んでいる小石川とその他の高校募集のある中高一貫校の大学進学実績をみれば高校募集することにより学校全体の授業の質が変わって来ることが分かります。
参照元:朝日小学生新聞 中学受験eye
都が公立中学生と保護者へアンケートを行ったところ、「附属中学から入るからこそ一貫校の良さを享受できる」「人間関係ができているところより、同じ条件でスタートしたい」「勉強が大変そう」などの意見が多かったようです。
高校受験する側から見ればまさしくその通りで、中学受験する側からしてみても、大金をかけてコツコツと知識を詰め込み狭き門を手に入れたのですから、そもそも一本化のカリキュラムを組んで早め早めに大学入試へ向けての対策を組んでくれた方がよっぽどいいというのはよく分かるように感じます。
我が家も、決して理系女子ではないものの中学受験時に数ある中高一貫校から小石川を選択した決め手に、6年間を見越したカリキュラムに魅力を感じたことは間違いありません。
かといって高校募集停止に大賛成かといえばそうでもない難しい気持ちでいる複雑な気持ちがあることも確かです。
その点についてはまた後ほど、、。
高校受験組の学力優秀層が迷子に。
一方、我が家のように高校受験する側です。
少子化や私立無償化の後押しも相まって無数にある中堅の学校は全入校も増え平和な高校入試が広まりつつある一方で、難関校の枠が少なすぎる問題が大きくなります。
とりわけ女子は、今後その被害が大きく広がっていくように感じます。
高校受験 首都圏の進学女子校
慶應女子の定員削減に加え、豊島岡女子が消えた首都圏の女子はどうなるかというと、、。
東京の偏差値表女子高校一覧
- お茶の水女子(国立) 78
- 慶應女子(私立附属) 77
豊島岡女子(私立) 75- 江戸川女子(私立) 67
- 日本大豊山女子(理数) 60
偏差値表は色々ありますので数字は変わりますが、慶應女子から江戸川女子までの開きは偏差値にして10程。
この間の学校がぽかんと不在になるのです。
偏差値10の開きはそれなりに大きいのではないでしょうか?。
Twitterで分かりやすい表をツイートしてくれている人がいましたので、そちらも参考にすると。
豊島岡女子の高校募集停止がどのくらいのインパクトがあるのか、首都圏以外の方には分かりにくいと思うので、中学入試を行う、偏差値50以上ある23区内の私立女子校の高校募集の有無を一覧にしてみた(偏差値は首都圏模試)。
これが東京の女子の私学の現実。 pic.twitter.com/41xhonuZ7m
— 新野 元基 (@newfield114) June 16, 2019
ツイートでも述べられていますが、都立、国立はそれなりにありますが内申が必要な上、1校しか受けられないためこれも選択肢としてみるには少なすぎます。
以前も紹介しましたがMARCHの付属校は優秀ですが、将来的な学歴を決定づけてしまう事や高額な学費から選択肢に入らない家庭も多いと思います。
学費の詳細はこちらの記事に↓
今回はとにかくずっと悶々とする我が家の進学先のことについてお話ししていきたいと思います。 中学受験にさくら散り、高校受験を選んだ時点で目指すべき最終学歴はMARCH以上がいいなぁ、、くらいには思っていたものの。 中学に入[…]
となると当然、都立第一志望者には第二志望が私立進学校の家庭が多くなります。
高校入生は邪魔者扱いなのか、、。豊島岡女子で出会った少女との会話。
【我が家が出会った賢い一人の少女の話し】
こうなった背景に見え隠れするのが高入学生と中入生こと、高校入学生、中学入学生の学力差です。
実は、我が家は金銭的な理由から中1の時点の志望順は
- 第一志望 都立日比谷
- 第二志望 豊島岡女子
- 第三志望 お茶の水女子
- 第四志望 慶應女子
このような志望順でした。
お茶の水女子は国立ですので大学受験対策を1年から外部で補うとしての志望順です。
豊島岡女子に実際に足を運んでとても好感を抱きました。
一人の少女と出会うまでは、、

我が家が門の近くで出会った女の子は渋々話しを聞かせてくれました。
この少女の話には大変ショックを受けて帰りました。同年代の娘を持つ母親として胸が苦しくなります。
学校説明会では、「進学実績は、中入、高入関係ない」と言っておきながら、入ってみると、「国立なんて、ほぼ中入」って言い始めて、もう詐欺です。
参照元:Yahoo!知恵袋
気になったので帰宅後手当たり次第調べて見ました。
豊島岡女子学園高校の口コミを見ていくと、似たようなクチコミは確かに一定数存在していました。
一方で充実した学校生活を送っている子供達がいることも分かりました。
学校は綺麗。学費も高くない。進学率も良い。ここはいいかもしれない。
こう思いましたが、一部の声とは言え、入学する前から不安な気持ちを残して長女をあづける事はできません。
我が家から、豊島岡女子の選択肢は消えました。
私立、公立、国立、のどの附属でもこの手の問題はあるのかもしれません。
難しい問題かと思います。
貴重な収入源を捨てる豊島岡女子学園
それにしても高校受験では早慶の滑り止めとしての認識が強い豊島岡女子の莫大な受験料。
2020年の志願者数は520名。受検料だけでも21,000円×520名10,920,000円。
この学校は募集要項を見ても入学金の返金がありません。
高校募集停止することにより中学受験組にとって豊島岡女子は私立としてますます頭角を現していくに違いないはずですが、受検料や入学金以外を考えても学園全体で億単位の金額が学校から消えていくことになります。
どこかで安定した投資先でも見つけてきたのでしょうか?
いつか来る、、?都立、県立高校受験は凄まじい倍率の未来予想。
我が家が気にしている事は、高校募集停止により次々に起こる完全中高一貫化の学校が増えた少し未来の受験環境のことです。
現在1歳になる次女の中学受験、高校受験時は、どのような選択をするか今後の受験動向によるのでまだ決めていません。
それでも気になるのは、今後このような形で高入生と中入生との学力の差別化が進み難関校と言われる学校が皆一貫化されてしまった場合果たしてどうなるのか、、。
さすがに私立進学校の高校受験枠が減りつつある状況で、一般的な都立附属中学のような学校を設立するのは都政としてありえないとは思います。(そうなったらもう高校受験は子供達の希望を失いますね。)
そしてそうでなくとも、完全中高一貫化の波をうけて都立入試や県立入試は凄まじい激戦になりかねないということです。
なぜなら、難関と言われる偏差値70近い学校はその時(未来)受けられる学校は国立と都立(県立)の一択と私立附属(早慶MARCHなど)くらいしかないのではと思うからです。
都立が低所得者層と言われる時代は終わる。
現在、難関と言われる都立高校は、ほぼ実力がおなじ受験生が定員の約2倍で競争しています。ここには内申点も入ってくるので、内申点が悪い子供は苦しい戦いとなります。
都立は今までであれば、所得の問題で選ばれていたように思われる方も多いようですが、私立高校無償化により、ますます多様な背景を持つ家庭が受験するようになることでしょう。
私立附属高校のように応用や発展問題が少なく、念入りな対策不要の都立高校は、入学時点で海外や都外から転入してきたある意味ワケありで、意識の高い家庭も多く受験して来るはずです。(日比谷に帰国子女は多かったイメージがあります)
未来の都立、県立高校受験、学力優秀層の行方。
こうなると、中学受験をしなかった学力優秀層の難関校への受け皿は、
①泣く泣く中堅校へと流れ完全学校外での大学受験対策。
となるか、
②数少ない都立や大学附属校の枠を勝ち取る。
この2パターンなるかと思われます。
もう一つあるとすれば、
③中学受験で逃げる。
この3パターンに絞られる事でしょう。
6年間の完全中高一貫化は、私立にとって大学合格実績の悪化が即学校の衰退という泣けなしの選択と割り切ることが出来ますが、公立や都立での6年間の完全中高一貫化はますます子供たちを受験戦争へと誘う魔の改正ではないでしょうか。
一本化されるカリキュラムにより確かに進学実績は上がる事でしょう。
都立小石川の現役東大合格実績の躍進を見れば後を追いたくなる公立中高一貫校がある事も納得できます。
受験学力だけを求めていないという大人たち。
果たしてそうなのだろうか。
勉強に、
生きていく力、
考える力、
表現力、
判断力、
多様性という名のキラリと光る個性。
大人たちがテレワークなどで自由に働き始める一方で、縛られ必死にもがく努力層の未来を担う子供たち。
10年以上先のまだ見ぬ未来に不安を抱きつつ、次女の成長を伺い、その時ベストな選択ができるよう、今後の動向を見守っていきたいと思います。
ふーなみ 私立と公立すごく迷ってしまいます、、、。 子供の進学先に私立と公立を選ぶ上で、何を天秤にして悩まれますか? 環境?学力?お金?どれでもないゆったりとした時間か、、 各家庭での価値観は様々あると思います。 […]
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